2025.08.26

「もうがんばれない」と感じたときに読む話 ――バーンアウトのサインと、回復のための小さなヒント

仕事も、人づきあいも、ちゃんと向き合ってきたつもりだった。
無理をしていたつもりもなかったのに、ある日ふと、何もかもが遠く感じてしまう。

やる気が出ない。
人と話すのがしんどい。
ずっと好きだったことすら、手につかない――。

それは、バーンアウト(燃え尽き症候群)という心の疲れかもしれません。

1. 「もう何も感じない」は、がんばってきた人のサイン



バーンアウトは、がんばっていない人には起こりません。
むしろ、人一倍まじめで、責任感が強い人ほど、
自分の限界に気づけないまま走り続けてしまいます。

・いつも疲れている
・感情が動かない
・人と話すのがおっくうになる

それは怠けではなく、
心が「もう限界だよ」と静かに教えてくれているサインです。

2. 自分を責めるほど、回復は遠のいてしまう



「なんでこんなに疲れてるんだろう」
「もっとできるはずなのに」
そんなふうに、自分を責める声が頭の中で大きくなると、
心のエネルギーはさらに失われていきます。

疲れていると感じたとき、
“理由”を探す必要はありません。

理由がなくても、しんどい日はある。
それをそのまま認めることが、
立ち直っていくための第一歩になります。

3. “なにもしない時間”に罪悪感を抱かなくていい



バーンアウトの回復には、
「なにかをがんばる」ことではなく、
「なにもしないでいること」が必要なときもあります。

・予定を入れずに寝る
・誰とも話さず、ぼんやり過ごす
・SNSもテレビも見ずに静かに過ごす

それを「無駄な時間」と思わなくていい。
心がぽっかりと空いたように感じるのは、
本来の自分に立ち返る準備が始まっている証拠かもしれません。

4. 回復は、“元に戻る”ことじゃなく、“更新されていく”こと



「早くいつもの自分に戻らなきゃ」と焦る気持ちは、
とてもよくわかります。

でも、バーンアウトを経験したあとに必要なのは、
“前の自分に戻る”ことではなく、
“今の自分に合ったペース”を見つけ直すこと。

少し立ち止まったぶん、
これまでとは違う視点で物ごとが見えるようになることもあります。

焦らなくていい。
立ち止まったからこそ見える景色も、きっとあるから。


がんばることが当たり前になっている人ほど、
「疲れた」と言うことすら難しいのかもしれません。

でも、心はちゃんと、静かに教えてくれています。
“もう少し、休んでいいよ”って。

今、何もできない日があってもいい。
誰にも会いたくない日があってもいい。

心のエネルギーは、少しずつ戻っていきます。
だからまずは、自分のしんどさを、そのまま受け止めてあげてください。

完璧じゃなくてもいい。
前に進んでいなくても、立ち止まっていても、
あなたの価値は、何ひとつ変わりません。

このコラムを読み終えたあと、
ほんの少しでも、肩の力が抜けていますように。



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